Movable Type のコメント投稿で「コメントを投稿できませんでした。エラー: 短い期間にコメントを大量に送りすぎです。しばらくたってからやり直してください。」というエラー処理について
Movable Type 4.x では、スパムコメントを回避策として、短い期間にコメントを連続投稿すると、「コメントを投稿できませんでした。エラー: 短い期間にコメントを大量に送りすぎです。しばらくたってからやり直してください。」というエラーを表示する仕様になっています(下)。
ただ、連続して投稿している訳ではないのに、稀にこのエラーがいつまでも解消しないケースがあるようです。
不具合が解消するかどうかは分かりませんが、このエラーを出力している処理をトレースしてみました。
この処理を行なっているのは、lib/MT/App/Comments.pm にある _builtin_throttle という関数です。この関数はコア機能にビルトインされたコールバックです(下)。
sub init {
...中略...
MT->add_callback( 'CommentThrottleFilter', 1, undef,
\&MT::App::Comments::_builtin_throttle );
$app;
}
処理は下記に書かれている順番に実行します。文中の「0を返却」は、コメントスパム処理を行なうことを指し、「1を返却」は、コメントスパム処理を行なわないことを指します。
- 環境変数 ThrottleSeconds 0 が設定されていれば1を返却して処理終了
- ThrottleSeconds 0 が設定されていない場合、ThrottleSeconds(デフォルト20秒)で指定した時間内に、同一ブログIDに同一IPからの再投稿がある場合は0を返却して処理終了。それ以外の場合は次の処理を続行。
- 環境変数 ShowIPInformation が設定されていないか、0(デフォルト値)が設定されていれば1を返却して処理終了(特定のIPアドレスからのコメントを制限したい場合、ShowIPInformationに1を設定すれば、この後に処理を行なうため)
- ThrottleSeconds の10倍の時間の間に8回以上のコメント投稿があった場合、IP禁止リストに登録し、0を返却して処理終了。それ以外の場合は1を返却して処理終了
上記のことから、mt-config.cgi に環境変数 ThrottleSeconds 0 を設定しておけば、常に重複コメントが可能です(が、ネットで調べると、なぜかこれで解消しないケースもあるみたいで、再インストールで解消させているようです)。
また、あるブログ記事に、現在より未来の時間のコメントが投稿されていると、必ずこのエラーとなります(他のブログ記事のコメント投稿には影響なし)。例えば、自宅サーバの時間を(故意に)未来に変更してコメント投稿し、そのあと時間を元に戻してコメント投稿すると、この事象に遭遇します。
ShowIPInformation はより厳しいスパムチェックを行いたい場合に、mt-config.cgi に設定しておくと良いでしょう。ThrottleSeconds の値が20秒である場合、その10倍である200秒の間に8回投稿されると、IP禁止リストに登録されます。
IP禁止リストについては、「Movable Type の管理画面に「IP禁止リスト」を表示する」も参考にしてください。
まとまりのないエントリーですが、情報まで。
- Movable Typeのコメント完了ページの内容を記事ごとに振り分ける方法
- Movable Typeで特定カテゴリのコメントを表示する方法
- Movable TypeでreCaptchaを利用する
- Movable Typeでカテゴリ別+ブログ記事別に新着コメントを表示する
- Movable Type 5でコメント投稿フォームをポップアップする
- Movable TypeのコメントでFacebookアカウント認証を有効にする
- Yahoo! JAPAN OpenID を省略表示する(その2)
- コメントにHTMLタグ挿入ボタンをつける(MT4/MT5版)
- コメント投稿にTwitterのOAuth認証を導入
- Movable Type 5でのMTCommentsタグの動作
- ブログ記事とコメントをひとつのフィードで配信する
- Movable Typeのコメント一覧からウェブページのコメントを除外して表示する
- Movable Typeのコメントにimg要素を許容する
- Movable Type(MT)のコメント投稿者の承認と禁止について
- Movable Type 5(MT5)のコメントのページ分割機能(その2:カスタマイズ)