音楽の基礎
音楽に携わっている方には必携の1冊です。
音楽の基礎 (岩波新書) 芥川 也寸志 岩波書店 1971-08 売り上げランキング : 1591 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
著者の作曲家・芥川也寸志さん(1925-1989)は、芥川龍之介のご子息。「交響三章(トリニタ)」「交響管弦楽のための音楽」「弦楽のための三楽章(トリプティーク)」などの代表作をもち、NHKの音楽番組「音楽の広場」や「N響アワー」の司会等でもご存知の方は多いと思います。
著書「音楽の基礎」は、1971年に出版された名著で、音楽関係者・音楽愛好家の間でロングセラーとなっています(現在第54刷)。
内容はタイトルおよび、下記の構成の通り、音楽に携わるにあたっての基礎的な知識を広く浅く解説したものですが、芥川氏独自の視点による音楽に対する深い洞察が、多くの楽譜を引用しながら綴られています。
- Ⅰ音楽の素材
- 静寂
- 音
- Ⅱ音楽の原則
- 記譜法
- 音名
- 音階
- 調性
- Ⅲ音楽の形成
- リズム
- 旋律
- 速度と表情
- Ⅳ音楽の構成
- 音程
- 和声
- 対位法
- 形式
その中から、私にとってもっとも印象に残っている、「音楽の素材」という章の「静寂」の中の一節を抜粋します。「静寂」を音楽の素材とみなすこの一節だけでも氏の偉大さを垣間見ることができます。
音楽が存在するには~(略)~静かな環境を必要とする。~(略)~われわれがふつう静寂と呼んでいるのは、かすかな音響が存在する音空間を指す~(略)~音楽はまず、このような静寂を美しいと認めるところから出発するといえよう。
~(中略)~
すべての音は~(略)~静寂へと向かう性質をもっている。~(略)~決定的に重要な時間は、演奏が終わった瞬間、つまり最初の静寂が訪れたときである。~(略)~音楽作品の価値もまた、静寂の手の中にゆだねられることになる。~静寂はこれらの意味において音楽の基礎である。
その他、芥川氏の作品集です。
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- コンサート
あああああ!この本持ってます。
昔読んですごく勉強になりました。
yujiro さんと同じように「静寂」の部分ですごく感動というか発見があった覚えがあります。
僕は
「作曲家が、作った旋律を気に入らずに消してしまうのは、すなわちその旋律より静寂が美しいことを認めた結果に他ならない」みたいな一節が確かあったと思いますが、この文章がとても真理をついていると感じていて、今でも心に深く残っています。
他の著書の紹介ありがとうございます!
>スズさん
こんばんは。
コメントありがとうございました。
本当に、これはなかなかの良書ですね。
重複コメントは削除しておきました。お気遣いなく。