コンテンツへの感謝の気持ちを形で伝えるサービス「ポチ」
2011年4月18日にサービスを開始した、BIGLOBE社が提供する少額寄付サービスサービス「ポチ」について紹介します。
本記事を執筆させて頂くにあたって、「ポチ」の開発エンジニアの方にインタビューを行ってまいりましたので、その内容を踏まえながら説明を進めたいと思います。サービスの利便性や開発者の方の熱い想いが伝われば幸いです。
1.コンセプト
リアルの世界では、たとえばストリートミュージシャンの定番アイテムといえば「缶」です。曲がよければ、立ち寄ったお客さんは缶に投げ銭をしてくれます。
このような光景はリアルだけでなく、ネットの世界でもみかけます。「本当に無料で使っていいの?」っていうようなアプリをみつけたり、これから行く予定の旅行先の情報が詳細に記されているブログをみつけて非常に助かったとか、面白い動画を見つけて「この動画作った人すごい!」と感動するなど。
こういうコンテンツに対し、利用ユーザーはコンテンツを作った人(クリエイター)にいわゆる「おひねり」を渡したい!と思うときが少なからずあると思います。しかしながら、そのサイトの運営者に投げ銭をする具体的な仕組みがないことが多いのが現状です。
ニコニコ動画でも以前、そのような状況がありました。素晴らしい動画に対して寄付をしたくてもできないことについて「振り込めない詐欺」というタグまで生まれ、「ニコニ広告」という振込みの仕組みが導入されました。
「ポチ」は特定のサービスに限らず、ネット全体のコンテンツに対し「そのような問題を解決したい!」という想いから開発が始まったそうです。
ということで、「ポチ」のコンセプトは、
誰もがコンテンツへの感謝の気持ちを形で伝えることができる世界を実現する
です。
2.「ポチ」の由来とキャラクタ
「ポチ」というサービス名の由来は、次の2つの意味からきています。
- ボタンを「ぽちっ」と押すときの擬音
- ぽちぶくろ(関西でちょっとしたお金を入れる袋のこと)
この流れで、キャラクターも犬(ポチ)になりました。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、犬の胴体にはぽちぶくろのひもがついています。あごのラインはこだわりがあるようで、社内で結構もめたそうです(笑)。
マスコットキャラクター
3.サービス概要(基本機能)
それでは「ポチ」で提供されるサービスの基本機能について、コンテンツに設置されている「ポチ」ボタンをクリックしてから入金までの流れを紹介します。ここでは「ネタフル」さんのコンテンツを例にしています。
コンテンツが気に入ったら「ポチ」ボタンをクリックします。
ネタフルさんのファンページに移動します。ファンページの上部にはコンテンツ(サイト)の紹介文、右側にはクリエイターであるコグレさんの紹介文が掲載されています。
「ポチする」の大きなアイコンをクリック。
入金したい額とメッセージ(赤枠部分)を入力して、「決済に進む」をクリック。
確認画面で入力内容を確認し、「決済に進む」をクリック。
BIGLOBEにログインし、支払い方法選択画面が表示されるので、選択後、「購入内容の確認へ」をクリック。支払い方法は「BitCash」「Edy」「WebMoney」が用意されています。あらかじめクレジットカードを登録しておくと、クレジットカード決済も選択できます。
内容を確認して「購入する」をクリックすれば入金完了です。入金額の30%はBIGLOBEへ渡ります。
4.サービス概要(コミュニティ機能)
「ポチ」サービスのキモとなる、各種コミュニティ機能を紹介します。
ファンページには、コンテンツに「ポチ」した人の一覧が表示されます(赤枠部分)。Twitterにログインしていない状態で「ポチ」すれば、匿名で入金することも可能です。
「ポチ」した人の一覧では、ユーザーからのコメントをキャラクターのポチが読み上げてくれます(音声は出ません)。
また、もっともコンテンツを拡散させたユーザーも表示されます。
「ポチ」した人の一覧のすぐ上にある「お持ちのTwitterアカウントでもっと楽しく」をクリックすれば、
Twitterでフォローしている人の一覧が表示されます。
ファンページ右上の「Sign in with twitter」のボタンをクリックしても同じ動作になります。
入金後に表示されたTwitter投稿のボタンをクリックすれば、こんな感じでTwitterに投稿されます。
5.「ポチ」を利用するメリット
サービスのおおまかな機能は理解できたと思いますので、ここで「ポチ」を利用するメリットとをいくつか挙げてみます。
まず「ポチ」するユーザーのメリットとしては、以下が挙げられます。
- 手軽で安全に入金できる
- ファンページを使えば自分と同じコンテンツファンが一目で分かり、そこからコミュニティが生まれる
- Twitterを通じて(良いコンテンツがあるということを)広められる
次に、クリエイターのメリットとしては次の3つがあげられます。
- 安全な決済基盤を持てる(入金先情報を公開すると「押し貸し」といって、お金を振り込んで「お金を貸したから利子をつけて早く返せ」と突然連絡がくるようなケースもある)
- コンテンツのファンページを持つことができる
- コンテンツのファンが一目で分かり、ユーザーとコミュニケーションをとることができる
特に決済基盤については、これまで国内で培われてきたBIGLOBEの高い信頼性がバックグラウンドにあり、安心して利用できるというのが大きなメリットではないかと思います。
6.コンテンツ登録方法
「ポチ」サービスへのコンテンツ登録方法を紹介します。
クリエイターは、ポチ事務局(お問い合わせ参照)にコンテンツ登録申請を行うと、「利用規約」と「お申し込みフォーム」が送付されます。
「お申し込みフォーム」は「申請書1」「申請書2」の2種類があり、「申請書1」には氏名・住所・BIGLOBE IDなどの基本情報を入力します。「申請書2」には、さらに次の記載事項があります。
- コンテンツ登録申請書
- クリエイター情報
「コンテンツ登録申請書」は、アプリや動画・ブログなど、実際に「ポチ」の対象となるコンテンツの情報を記載します。複数のコンテンツを登録したい場合は必要数分を記載します。対象コンテンツは、ニュース・ブログ・サービス・画像・動画・音楽・コミックなど、ウェブ上のコンテンツであれば何でも構いません。
コンテンツの登録は1記事(1URL)単位でも可能ですが、たとえばブログ全体をひとつのコンテンツとして登録しておき、各記事に対し、払い出された「ポチ」ボタンを設置しておく方がいいかもしれません。そのような設定にしておけば、ユーザーが「ポチ」ボタンをクリックしたときに移動するファンページはブログのファンページとなり、記事単位のファンページよりもコミュニティが活気づく可能性があるからです。
「クリエイター情報」は、アプリ開発者・ブログ運営者の氏名(またはハンドルネーム)や略歴を記入します。この内容はファンページのコンテンツと一緒に掲載されます。
「コンテンツ登録申請書」と「クリエイター情報」の記載内容は、それぞれ次の箇所に反映されます。
「コンテンツ登録申請書」のファンページへの反映
「クリエイター情報」のファンページへの反映
申請書を送付し、承認されると、「ポチ」の公式ページに専用のファンページが作られると同時に、「ポチ」ボタン用のscriptタグが送付されます。「ポチ」ボタンは以下のように何種類か用意されています。クリックした人のツイッターアイコンが出るバージョンもあります。
7.インタビューでの質疑応答
インタビュー当日の、ブロガーからの質問とそれに対する回答(抜粋)です。
Q:支払い開始は?
A:3000円貯まった時点でお支払いになります。
Q:会員登録がやや面倒。ポチ専用の会員登録があってもいいのでは?
A:正式リリースに向け、できるだけ簡単になるよう改善していく予定です。
Q:決済方法は今後増える可能性は?
A:他のサービスのポイントなどが使えるような対応も検討中です。
Q:「ポチ」ボタンの数字の部分を押しても画面が遷移するようにしてほしい。
A:改善します。
Q:BIGLOBEが運営していることがもっと分かるようにしてもよいのでは?
A:そこについては内部でも意見が分かれており、現状は、Twitterのクライアントサービス「ついっぷる」のように、いわゆるBIGLOBE臭を消そうとしている方向です。
8.おわりに
「ポチ」サービスの紹介は以上です。
現在ベータ版で、今年の秋から本格的にクリエイターの登録を行っていく予定です。2012年3月には5000コンテンツ、10万ユーザーを目標としているとのことなので、コンテンツを登録したいクリエイターの方は、是非ポチ事務局までご連絡ください。
「ポチ」はTwitterでもつぶやいています。どしどしフォローしましょう。
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手数料30%はちょっと高い気がするな・・・
あと諸手続きもちょっと面倒そう。
見た目はいいんだけどねぇ・・・
昔niftyでもっと手軽に使えて手数料も安いサービスがあったんだけど、なくなっちゃったのが残念。
>fooさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。
現在β版という位置づけなので、今後色々と改善されるかもしれません。