Movable Typeのコミュニティ機能で投票できない不具合を解消する
Movable Typeのコミュニティ機能(コミュニティブログ/コミュニティ掲示板)には、投票機能(スターアイコン★をクリックして投票)がデフォルトで用意されています。
具体的には、次のようにトピック単位に投票用のスターアイコンが表示され、スターアイコンまたは「X票」の部分にマウスをポイントするとクリックで投票できるようになっています。
クリックすると1票が追加され、自分が投票したことが分かるように、スターアイコンにチェックマークがつきます。もう一度クリックすれば投票を取り消します。
ところが、次のようにマウスをポイントしても投票できないケースがあります。
本エントリーでは投票できない原因と、問題がある場合の解消方法について紹介します。
1.原因1:コミュニティのユーザーとしてサインインしていない
コミュニティのユーザーとしてサインインしていない場合、投票することができません。ページ右上にある「サインイン」をクリックしてサインインすれば、投票できるようになります。
2.原因2:匿名の投票を有効にしていない
コミュニティのユーザーとしてサインインしていなくても、誰でも投票できるようにすることができます。
投票できるようにするには、ブログ管理画面の「設定」→「コミュニティ」をクリックして、「匿名での投票を許可する」をチェックします。
3.原因3:クロスドメイン問題
投票機能はAjaxを利用しており、ページ読み込み時にAjaxでコミュニティ用のCGI(mt-cp.cgi)にアクセスして投票情報を取得・表示します。このCGIにアクセスするURLのドメインと、コミュニティサイト自体のドメインが異なっているとクロスドメイン問題により、1項や2項の対処を行っても投票することができません(厳密にはサインインもできないはずです)。
例えば、それぞれのドメインの設定が次のようになっていると、この問題が発生します。
- コミュニティサイトのドメイン:blog.user-domain
- mt-cp.cgi実行時のドメイン:user-domain
投票できない問題がクロスドメインであるかどうかは、JavaScriptエラーの有無で切り分けることができます。例えばIE9でF12を押下して開発者モードの画面の「スクリプト」タブで確認すると、次のような「アクセスが拒否されました。」というエラーが表示されているはずです。
エラーが発生しているmt.jsの558~559行目のコードは次のとおりです。
598: var url = 'http://user-domain/mt/mt-cp.cgi';
599: xh.open('POST', url, true);
変数xhはAjax通信を行うためのXMLHttpRequestオブジェクトで、open()メソッド、つまり指定したURLへのリクエスト送信に失敗していることが分かります。598行目に表示されているドメインとコミュニティサイトのドメインが異なっていることからも判別可能です。
解消するには、コミュニティサイトのドメインとmt-cp.cgiのドメイン(=MTをインストールしているドメイン)を一致させます。言い換えると、コミュニティサイトのドメイン配下にMTをインストールする必要があります。アクセスするドメインが一致すれば良いので、MTをドメインに対応するパス直下にインストールする必要はありません。「mt」など適当なディレクトリを作って、そこにインストールすれば良いでしょう。
例えば次のような配置でMTをインストールします。
- MTのインストールパス:/home/user/www/mt
- コミュニティサイトのパス:/home/user/www
- コミュニティサイトのURL:http://blog.user-domain/
- Movable Typeの記事をお気に入り順に並べて表示する方法
- Movable Typeのコミュニティ機能でCKEditorを利用する
- コミュニティ機能のテンプレートのインクルード関係図
- コミュニティのカスタムフィールドの表示順序を入れ替える
- Movable Typeでコミュニティ機能のプロフィールページにタブを追加する方法
- コミュニティソリューションのプロフィールページに関する Tips
- Movable Type 4 のコミュニティ機能(その2:サインアップユーザーの権限自動付与とロールのカスタマイズ)
- Movable Type 4 のコミュニティ機能(その1:プロフィール画面)