Movable Type 5.2リリースと機能のまとめ
Movable Type 5.2がリリースされました。、また同時にクラウド版「Movable Type EZ」もリリースされました。
ということで、MT5.2の主な機能について、これまでに紹介してきた分を含めて本エントリーでまとめました。
1.nginx+PSGIによる運用対応
5.2より、nginx+PSGIによる運用に対応するようになりました。
これに伴い以下の環境変数が追加されています。
- PIDFilePath:PSGIで起動する場合のpidの指定
2.リッチテキストエディタ
リッチテキストエディタにTinyMCEが採用されました。
リッチテキストエディタの拡張方法は、以下で公開されています。
Movable Type 5.2 のリッチテキストエディタを拡張する
サンプルとして、リッチテキストエディタ (TinyMCE) にテーブル機能を追加する「TableFeatureForTinyMCE」プラグインも公開されています。
このプラグインを適用すると、テーブル用のアイコンが追加されます。
プラグイン適用前
プラグイン適用後
3.サイトパスの制限
Movable Type 5.2 では、ウェブサイトの作成を指定のパス配下に制限できる機能が実装されました。
4.SMTP認証によるメール送信に対応
SMTP認証によるメール送信に対応しました。
これにより下記の環境変数が追加されました。
- SMTPPort:SMTPサーバーでメールを送信する場合のメール送信ポートを指定
- SMTPUser:SMTPサーバーでメールを送信する場合のユーザー名を指定
- SMTPPassword:SMTPサーバーでメールを送信する場合のパスワードを指定
- SMTPAuth:SMTP認証を利用してメール送信する場合に設定
なお、5.2の制限事項として、Windows環境でインストールウィザードを起動中、SSLを利用したSMTP認証でのテストメール送信がうまくいかないことが挙げられています。
5.カスタムフィールドのパフォーマンス改善
カスタムフィールドを大量に使用していると、再構築のパフォーマンスに大きく影響することが確認されています。
MT5.2では、この点が改善されているようです。
6.OpenIDでYahooを利用した際、設定した表示名が表示
コメント認証でYahoo OpenIDを利用した際、Yahoo! IDを一部「*」で隠したものが表示されるようになりました。
変更前
変更後
認証時の画面も次のように変わりました。
7.{{theme_static}}をtheme.yaml内で利用
theme.yamlで使える「{{ ... }}」のフォーマットは、
- {{support}}:MTSupportDirectoryURLと同じ
がありましたが、新たに{{theme_static}}が使えるようになったようです。このフォーマットを設定すれば
mt-static/support/theme_static
までのURLが設定されると思います(間違ってたらすいません)。
8.MTCalendarタグで開始曜日指定が可能
また、MTCalendarタグで、カレンダーの始まりの曜日指定ができるようになりました。指定する場合は次のようにweeks_start_withモディファイアを利用します。
<mt:Calendar weeks_start_with="Mon">
指定しない場合はこれまで通り、日曜日始まりとなります。
9.システムのメールアドレスが必須
システムのメールアドレスが必須となりました。具体的には、インストールウィザードで次のような画面が表示されます。
10.バックアップファイル生成時のディスクの空き容量チェック
バックアップファイルの生成時にディスクの空き容量が足りなくなった際、エラーメッセージを表示できるようになりました。
メッセージを表示するには、CPANモジュールのFilesys::DfPortableが別途必要となります。
11.追加された環境変数
上記に挙げた環境変数以外に、下記の環境変数が追加されています。
- ThemesDirectory:テーマの読み込みと書き込みを行うディレクトリを指定。5.2からディレクトリの複数指定が可能
- AltTemplatePath:管理画面テンプレートの代替ディレクトリを指定。5.2からディレクトリの複数指定が可能
- SearchTemplatePath:検索テンプレートのディレクトリを指定。5.2からディレクトリの複数指定が可能
- ThemeStaticFileExtensions:テーマをエクスポートするときに、テーマに含めるファイルの種類を指定。5.2から初期設定値として「html/otf/ttf」を追加
ということで、シックスアパートの皆様、お疲れ様でした!
- Movable Type 5.2 RC1リリースと環境変数の追加・変更について
- Movable Type 5.2ベータ5リリースとParams::ValidateおよびMath::BigIntのバージョンアップ
- Movable Type 5.2ベータ4リリース
- Movable Type 5.2ベータ3リリースとリッチテキストエディタの拡張方法の公開
- Movable Type 5.2ベータ2リリースとオンライン版の公開
- Movable Type 5.2ベータ1リリース