聴力を失った作曲家・佐村河内守氏の奇跡のシンフォニー「交響曲第1番 HIROSHIMA」
現代作曲家、佐村河内守氏の作品「交響曲第1番 HIROSHIMA」が収録されたCDの紹介です。
日本コロムビア (2011-07-20)
売り上げランキング: 2
2012年11月9日、NHK総合「情報LIVEただイマ!」内で佐村河内氏の特集企画を放映されたのを見て、本エントリーで紹介する「交響曲第1番 HIROSHIMA」を購入しました。
購入した理由は、放送の中で流れたCDの演奏(多分第3楽章の終盤)を聴いて、「全曲聴いてみたい!」と思ったからです。
NHKの放映等による反響もあると思いますが、2011年7月に発売されたこのアルバムは、発売から1年以上経った2012年12月3日付けのオリコン総合アルバムランキングで9位にランクインされ、新作交響曲のCDとしては異例のセールスを記録しました。
つまり、私と同じような理由で購入された方が非常に多かったのではないかと思われます。
佐村河内氏は1963年、広島県生まれ。幼少から音楽の英才教育を受け、早くから作曲家の道を目指しますが、17歳から原因不明の聴覚障害が発症。35歳のときに両耳の聴覚を失ってしまうというアクシデントに見舞われます。
ゲームソフト「鬼武者」の音楽「交響組曲ライジング・サン」は全聾となった後に絶対音感だけを頼りに作曲されたもので、本エントリーで紹介する交響曲第一番「HIROSHIMA」はその後の2003年に完成したものです。
「レコード芸術2月号特集リーダーズチョイス2011ベスト30」では現代作曲家作品唯一の15位にランクインされました(下はウェブで公開されたベスト20からの抜粋)。
交響曲第一番「HIROSHIMA」は3つの楽章からなっており、演奏時間は約80分。氏のコメントによると、第1楽章が「運命」、第2楽章が「絶望」、第3楽章が「希望」となっています。
購入して聴いた感想ですが、全体的に重厚で長大なスケールの曲です。クラシックファンでない方はもしかしたら途中で飽きてしまうかもしれませんが、細かいことが理解できなくても、どの楽章も作曲者の悲哀や希望といった心の叫びが感じとれるような楽曲だと思います。
ちなみに「交響曲第1番」というタイトルの自伝も出版されています。
- ホルスト 組曲「惑星」 作品32(冥王星付き)
- 絵のような風景(その1)
- 白い軌跡