C++の可変長引数(va_list)の使い方
C++の可変長引数(va_list)の使い方について紹介します。
1.可変長引数とは
可変長引数は、関数宣言および関数定義の最後の引数が省略記号(...)である場合、可変数の引数を受け取ることができるものです。
Func( int i, ... );
上記のように、省略記号が最後の引数で、省略記号(...)の前にカンマにある場合に限り、省略記号が可変長引数となります。
2.サンプル1
下記のサンプルは、関数「hoge」起動時の第1パラメータに可変長引数の総数「5」、第2パラメータ以降(=可変長引数)に「H」「e」「l」「l」「o」を渡し、表示させるものです。
#include <stdio.h>
#include <stdarg.h>
void hoge( int num, ...) {
va_list args;
va_start( args, num );
for( int i = 0; i < num; ++i ) {
printf( "%c\n", va_arg( args, char* ) );
}
va_end( args );
}
int main () {
hoge( 5, 'H', 'e', 'l', 'l', 'o' );
}
各マクロの意味は次のとおりです。
va_start
可変長引数リストを初期化します。
- 第1パラメータ:引数リスト
- 第2パラメータ:指定した引数以降を引数リストに格納
サンプルでは、
va_start( args, num );
となっているので、引数リストargsに、num以降の引数を格納します。
va_arg
引数リストから順番に値を取得します。
- 第1パラメータ:引数リスト
- 第2パラメータ:取得時の型
サンプルでは、
va_arg( args, char* )
となっているので、引数リストargsからchar*型で値を取得します。
va_end
引数リストをクリアします。
- 第1パラメータ:引数リスト
引数リストの操作が終わった後、この処理が必要なようです。
可変長引数マクロでは引数の個数を判断できないため、関数呼び出し時に引数の数を判断できる情報を第1パラメータで渡すのが定石のようです。
前述のサンプルでは、第1パラメータで指定された値をfor文の繰り返し回数に用いて、引数を取得・表示します。
for( int i = 0; i < num; ++i ) {
printf( "%c\n", va_arg( args, char* ) );
}
3.サンプル2
前述のサンプルでは一意の型しか扱えないため、実践で使えそうなサンプルを作ってみました。
#include <stdio.h>
#include <stdarg.h>
void hoge( char *types, ...) {
va_list args;
va_start( args, types );
for( int i = 0; types[i] != '\0'; ++i ) {
printf( "%c:", types[i] );
switch( types[i] ) {
case 'i':
printf( "%i\n", va_arg( args, int ) );
break;
case 'f':
printf( "%f\n", va_arg( args, double ) );
break;
case 'c':
printf( "%c\n", va_arg( args, char* ) );
break;
case 's':
printf( "%s\n", va_arg( args, char* ) );
break;
default:
break;
}
}
va_end( args );
}
int main () {
hoge( "ifcs", 30, 15.7f, 'a', "Hello World!" );
}
このサンプルでは、引数の数および型を第1パラメータで渡し、型によってswitch文で分岐させるようにしています。
4.参考サイト
参考サイトは下記です。ありがとうございました。
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