Perlでansibleライブラリを作成する方法

Perlでansibleライブラリを作成する方法

Posted at October 4,2023 11:55 PM
Tag:[ansible, Perl]

Perlでansibleライブラリを作成する方法を紹介します。

1.問題点

ansibleのシナリオを作成する中で、既存のansibleライブラリに存在しない処理をする必要が生じました。

が、ライブラリの作り方がわかりません。

具体的には、

  • 配置場所
  • 引数の送受信
  • 返却値の送受信

です。

ということで、Perlでansibleライブラリを作成する方法を紹介します。

ここではPerlで説明していますが、他の言語にも応用できると思います。

2.ansibleのディレクトリ構造

本題に入る前に、サンプルとして使用するansibleシナリオのディレクトリ構造を示します。

複雑ですいませんが、ansibleのベストプラクティスで記載しています。

ansible実行ディレクトリ/
  inventory
  send_user_password.yml
  roles/
    send_user_password/
      tasks/
        main.yml
      files/
        lib.tar.gz perlで使用するライブラリ
  library/
    send_user_password Perlスクリプト

このansibleシナリオの実行方法は下記です。

$ cd ansible実行ディレクトリ
$ ansible-playbook -i inventory send_user_password.yml

これで、roles/send_user_password/tasks/main.ymlが動作します。

そして、main.ymlの中でライブラリを使用します。

ansibleライブラリは"library"が該当します。詳細については後述します。

ここでは、ライブラリ以外の、各ファイルの内容を示します。

設定内容は環境に合わせてて適宜修正してください。

inventory

server_00 ansible_host=192.168.0.123
 
[all:vars]
ansible_user=root
ansible_ssh_pass=hogehoge
 
[server1]
server_00

send_user_password.yml

- hosts: server1
  roles:
    - role: send_user_password
      vars:
        work_path: "/tmp"

main.yml

- name: "Perlライブラリ転送"
  unarchive:
    src: lib.tar.gz
    dest: "{ work_path }"
 
- name: ユーザ・パスワード送信
  send_user_password:
    user: test
    password: hoge
  register: result
 
- name: "結果出力"
  debug:
    msg: "{{ result }}"

3.ライブラリ用Perlスクリプトのサンプル

Perlスクリプトのサンプル(send_user_password)を下記に示します。

このスクリプトは、受信した引数をそのまま返却するだけのものです。

#!/usr/bin/perl
 
use lib '/tmp/lib';
 
my $file = shift(@ARGV);
open( my $fh, "<", $file );
my $contents = do { local $/; <$fh> };
 
my @content = split( /\s/, $contents );
 
my $user;
my $password;
for my $data ( @content ) {
    my @tmp1 = split( /user=/, $data );
    if ( $tmp1[1] ) {
        $user = $tmp1[1];
    }
    my @tmp2 = split( /password=/, $data );
    if ( $tmp2[1] ) {
        $password = $tmp2[1];
    }
}
 
if ( !$user || !$password ) {
    print "{ \"msg\" : \"illegal parameter\", \"rc\" : 0, \"changed\" : \"false\", \"failed\" : \"1\" }";
    exit;
}
 
print "{ \"msg\" : \"OK\", \"user\" : \"$user\", \"password\" : \"$password\", \"rc\" : 0, \"changed\" : \"false\" }";

4.ライブラリの実行

まず、ansibleシナリオに記述した"send_user_password"が、そのままライブラリの実行ファイル名になります。

ansible実行ディレクトリ直下にlibraryディレクトリを配置することで、その配下のスクリプトがライブラリとして自動認識されます。

なお、このansibleのサンプルのライブラリ"send_user_password"は、ターゲットサーバに転送されて実行されます。

必要なライブラリがターゲットサーバに存在しない場合、ライブラリをlib.tar.gz等のファイル名でアーカイブして、roles/send_user_password/files/に配置し、unarchiveモジュールでターゲットサーバに転送・展開します。

- name: "Perlライブラリ転送"
  unarchive:
    src: lib.tar.gz
    dest: "{ work_path }"

展開されたPerlライブラリは、Perlスクリプト内のlibモジュールで追加して利用します。

use lib '/tmp/lib';

5.ライブラリの引数

send_user_passwordの引数となるuserとpassword(のキーと値)は、ファイルとして保存され、そのファイル名がPerlスクリプトに渡されます。

- name: ユーザ・パスワード送信
  send_user_password:
    user: test
    password: hoge
  register: result

サンプルの場合、ファイルの中身は次のようになるはずです。

user=test password=hoge

下記に引数を取得するサンプルを示します。

# 引数としてファイル名を取得
my $file = shift(@ARGV);
 
# ファイルオープン
open( my $fh, "<", $file );
 
# 中身をすべで取得
my $contents = do { local $/; <$fh> };
 
# 半角スペースで分割
my @content = split( /\s/, $contents );
 
# 引数を取得
my $user;
my $password;
for my $data ( @content ) {
    my @tmp1 = split( /user=/, $data );
    if ( $tmp1[1] ) {
        $user = $tmp1[1];
    }
    my @tmp2 = split( /password=/, $data );
    if ( $tmp2[1] ) {
        $password = $tmp2[1];
    }
}

6.ライブラリの返却値

返却値はJSON形式です。ダブルクォーテーション等にはエスケープが必要です。

ここでは受信した引数をそのまま返却しています。

print "{ \"msg\" : \"OK\", \"user\" : \"$user\", \"password\" : \"$password\", \"rc\" : 0, \"changed\" : \"false\" }";

サンプルのansibleでは、受信した返却値を変数resultに保存し、出力するようにしています。

- name: ユーザ・パスワード送信
  send_user_password:
    user: test
    password: hoge
  register: result
 
- name: "結果出力"
  debug:
    msg: "{{ result }}"

個別に出力したい場合は、result.userやresult.passwordとします。

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