ansibleでハッシュの配列をチェックする方法

ansibleでハッシュの配列をチェックする方法

Posted at March 7,2025 12:03 AM
Tag:[ansible]

ansibleでハッシュの配列をチェックする方法を紹介します。

1.はじめに

下記の3ファイルのmd5sum値を予め用意したコンフィグに設定し、サーバ上の各ファイルのmd5sumと等しいか、チェックする必要が生じました。

ということで、ansibleでハッシュの配列をチェックする方法を紹介します。

2.やりたいこと

複数のファイルをチェックできるように、ファイル名とファイルのmd5sum値をハッシュの配列にしたいです。
ファイルのパスも動的に取得したいので、同じくハッシュの配列に含めます。

また、コンフィグはrolesディレクトリの中ではなく、分かりやすい任意の場所に配置したいです。

3.コンフィグのサンプル

前項の要望にしたがい、コンフィグは下記のようにしました。

/var/tmp/config.yml

files:
  - name: kdump
    path: /etc/sysconfig
    md5sum: e417c7b5754df7287f41b478f2200793
  - name: CentOS-Base.repo
    path: /etc/yum.repos.d
    md5sum: 447b4d2df1a36e64348bbd8b6c5b0fae
  - name: sysctl.conf
    path: /etc
    md5sum: 4bae3962eeef7d1e7c7ef39314db9fb0

"files"というハッシュキーの中に配列を作り、さらにそれぞれの配列に、

  • ファイル名
  • ファイルパス
  • md5sum値

を設定しました。

これをansibleで読み込ませるにはどうすればいいかを次項で説明します。

4.コンフィグファイルの読み込み

コンフィグファイルを読み込むには、Playbook本体(test.yml)に"vars_files"を用います。

test.yml

- hosts: test
  roles:
    - role: test
  vars_files:
    - "/var/tmp/config.yml"

これで、実行するロール内のタスクで前述のコンフィグを読み込むことができます。

5.ハッシュの配列をチェック

ハッシュの配列をチェックするには、ロール内のタスク(roles/test/tasks/main.yml)を下記のようにします。

roles/test/tasks/main.yml

- name: ファイルのmd5sum実行
  command: "md5sum {{ item.path }}/{{ item.name }}"
  loop: "{{ files }}"
  register: file_md5_result
  changed_when: false
 
- name: ファイルのmd5sum結果取得
  set_fact:
    md5sum_result: "{{ item.stdout.split(' ')[0] }}"
  loop: "{{ file_md5_result.results }}"
  register: file_md5
 
- name: コンフィグのmd5sumと比較
  fail:
    msg: "### {{ item.name }}のmd5sumが一致しません ###"
  failed_when: item.md5sum != file_md5.results[index].ansible_facts.md5sum_result
  loop: "{{ files }}"
  loop_control:
    index_var: index

タスクの解説です。まず、loopにコンフィグのハッシュキー"files"を指定し、コンフィグからファイルの情報を収集し、md5sumを実行します。

実行結果はfile_md5_result(配列)に保持します。changed_whenは、md5sum実行でchanged=1となるのを抑止しています。

- name: ファイルのmd5sum実行
  command: "md5sum {{ item.path }}/{{ item.name }}"
  loop: "{{ files }}"
  register: file_md5_result
  changed_when: false

次に実行結果file_md5_resultをloop変数に指定し、splitを使ってmd5sum値のみを収集し、set_factを使って変数"md5sum_result"に設定します。

- name: ファイルのmd5sum結果取得
  set_fact:
    md5sum_result: "{{ item.stdout.split(' ')[0] }}"
  loop: "{{ file_md5_result.results }}"
  register: file_md5

最後に、もう一度loopにコンフィグのハッシュ"files"を指定し、

- name: コンフィグのmd5sumと比較
  fail:
    msg: "### {{ item.name }}のmd5sumが一致しません ###"
  failed_when: item.md5sum != file_md5.results[index].ansible_facts.md5sum_result
  loop: "{{ files }}"
  loop_control:
    index_var: index

failed_whenは、指定した条件がTrueのとき、タスクを失敗させる条件を定義します。

ここでは、コンフィグのmd5sum値と配列変数に保持したmd5sum値が等しくない場合にタスクを失敗させます。

タスクを失敗させた場合にfailが発動し、msgに指定した文字列を出力します。

「index_var: index」は、ループのインデックス(0から始まる番号)を"index"という変数として利用できるようにしています。

これを使うことで、配列変数"file_md5.results"をインデックスを使って順に参照できます。

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